2020年07月21日

コロナ自粛により断ち切られた「欲求」と「行動」のつながり

新型コロナウィルスの影響により、外出や旅行の自粛などが求められ、結果として、なかなか思いついたことややりたいことを実行に移せない、という人が多くなってしまっているようです。以前だったらショッピングに行こうとか映画を見に行こうとか、そうしたことであればあまりためらわずに足を運んだのではないでしょうか。感染拡大していない地域では、そうした行動をしたとしても感染する可能性は無限小に近いと思うのですが、どうも「禁止」をそのままにしてしまう人も多いようです。

特に、言われたらその通りにすることが多く、「解除」されたからと言ってワイルドに外に飛び出すタイプでないことが多い日本人の場合、「元に戻る」ための意識的な努力や働きかけが必要であるように思います。現在のところ(2020年7月時点)GoToキャンペーンが物議を醸していますが、タイミングが時期尚早であるという感はあるものの、こうしたキャンペーンなどの促しやインセンティブがないと、行動しないという人が多いのではないかと懸念しています。

心理学的に言えば、これは「うつ」の状態の一要素と言えるかもしれません。うつ状態に陥っている人の場合(この場合、「大うつ」などのあまり深刻なうつのことだけを言ってはいませんが)、自分の頭の中に「考え」「欲求」「ニーズ」は浮かぶものの、それを行動に移すことがなかなかできないということが多いです。なんらかの理由で、そこの連絡が絶ちきられてしまっていると言えます。

その逆としては、衝動的なタイプ、つまり思い浮かんだら即行動に移してしまうタイプもいます。これが仕事に活かせるなど、まともな方向ならばいいのですが、そうでなく社会的・モラル的に問題のある行動を衝動のままにしてしまうと、問題を起こしたり、場合によっては犯罪行為となってしまいます。

コロナ自粛により生活が変わってしまうのは、一時的なこと(数週間~数ヶ月の単位)だったはずなのですが、長期化してきて以前より「縮小」した状態が「スタンダード」になってしまう怖れもあります。それでいいと満足できるのならいいのですが、どこかに不満を抱えたままだとその不満が思わぬ方向(場合によっては虐待、暴力、ハラスメントなど)に向かってしまう怖れもあります。まだまだ、新しい価値観が十分に見えないところもありますが、コロナの影響によりどうも以前のように調子が出ないという方は、早めにカウンセリングを検討していただいた方が、先々のためにもいいかと思います。