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2020年07月31日

レジリアンスとネガティブ・ケイパビリティ

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新型コロナウィルスや、「新しい生活様式」でいろいろ試される日々がつづいているかと思います。このチャレンジングな状況で、しかしむしろ生き生きとしてくる人たちもいるようです。クライアントからも聞き、また臨床家の集まりでも話題に出たのですが、いわゆる引きこもり気味の人、社会的に孤立しやすい人はむしろこれまで「違う」「悪者」とされがちだったのが、世間で彼らのライフスタイルや生き方が承認されたように感じている場合が少なくないようです。これは、人間の性向や性質が多層的であり、決して「こうでなければならない」というところに縛られるものではなく、世相や状況によっても変わって行くし、一概にこうとは言えないということを如実に示していると思います。





現在の状況や、こうした人たちの生き方について考えたとき、思い浮かぶ言葉が2つあります。一つ目は「レジリアンス」です。レジリアンスとは、逆境に耐える力であり、たとえば被害に遭ったりしてもへこたれない、あきらめない、のような傾向を言います。耐久力、回復力とも言えるでしょう。いつも思うのはカウンセリングにいらっしゃる人たち、特に続けられる人たちはレジリアンスがあるな~ということです。もちろん、ニワトリと卵というか、レジリアンスがあるからカウンセリングのような一過性でなく即効性もない「じっくり取り組む」ことを選ぶのでしょうし、カウンセリングのセッションを継続していくことにより、さらにレジリアンスが鍛えられていく、という側面もあるようです。





もう一つ思い浮かぶのは、「ネガティブ・ケイパビリティ」です。イギリスの精神分析家でグループ療法の権威として知られる、ビオンによって言われた言葉です。ネガティブ・ケイパビリティとは、世間やビジネスなどで評価されにくい能力、うつ気味の人などが多く持っている耐える能力、現状維持する能力、などのことです。実際、うつ状態というのは状況や環境が良くないとき、やりすごすための方法であるという説もあります。世間からはこれはネガティブに見られがちなのですが、価値観をひっくり返して見れば、ネガティブ・ケイパビリティの強い人たちは、その種の能力に優れていると言うことができます。





この2つ、レジリアンスとネガティブ・ケイパビリティには、ある程度オーバーラップもあるかと思います。心理学や精神医学などで、同じようなコンセプトが違う言葉に置き換えられたり、あるいはちょっと視点を変えて再登場したりすることはよくあることです。時代や場所が変わるにつれ、次々と言葉は作られていきます。現在、自粛やリモートワーク、あるいはこれまでのアプローチや手法・手段を変えることを迫られる中、私たちの多くが鍛えているのが今回挙げたような能力なのではないかと思います。


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