2021年12月09日

「なぜ週1回のカウンセリング?」について

オープンマインドでは、以前からアメブロ(openmind-psychology)もしていますが、その中で比較的よく読まれている(アクセス数上位に上がってくるものとして)ものに「なぜ週1回のカウンセリング?」という記事があります。これは大切なことなので、今回はこれについて書きたいと思います。

現在、オープンマインドで継続的に通っていただいているクライアントさんは週1回、2週に1回、月1回にだいたい分かれるかと思います。少なめの頻度でも「成果」を出している人もいますが、それではなかなか難しいといった場合もあります。週1だとその日時は原則的にその人に割り当てられるため、まさしくカウンセリングというものを生活の中に組み込んでいくような形となります。それは、自分や相手と向き合ったり、日頃体験しているいろいろなことについての気持ちを振り返ったり整理したり、また過去からの解消できていない出来事・気持ち(トラウマなど)に取り組んでいく時間となります。

また、より深い(ここで「深い」という場合には精神分析的なとか、無意識を扱うようなということですが)作業をしたいというときに、週1回(以上)のペースの方が継続性、安定性も生まれるのです。月1だとどうしても前回話したことを忘れていたり、1ヶ月にあったことを「報告」するだけで終わってしまうことも少なくありません。より掘り下げていくことや、セッション中に「考え、感じる」余裕、時間がなくなってしまうのです。また、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、精神分析的に言う「転移・逆転移」もある程度以上の頻度で起こりやすくなり、それがまさに治療的プロセスの「根幹」ともなるのです。

逆に言うと深さや継続性などを回避したり、そこに抵抗があったりするためにより低い頻度を選んだり、また少しやると止めたり治療者(カウンセラー、セラピスト)を変えたり、といった場合も少なくないと言えます。

週1回~など、ある程度以上の頻度で会っていくことは、長期的な人間関係(家族関係、パートナーやその他のパートナーシップなど)を築き、安定させ、活かしていくことを学ぶことでもあります。人同士ですから、どうしてもコミュニケーションの行き違いや誤解などもあり、そうしたことを乗り越えていくことを学ぶプロセスでもあります。カウンセリングを軸にしてそれ以外の対人関係の質が変わっていくので、その長期的な波及効果は非常に大きいのです。

実際、もっとも伝統的でオーセンティックな「精神分析」では、カウチ(寝椅子)を使い、週3、4回以上のセッションをするというのが「標準」です。正式には「精神分析的(精神力動的、とも)心理療法」と呼ばれるものは、それをより多くの人に使いやすくするために、週1~2回でカウチを用いず、イスでお互いの顔を見ながら行う、というフォーマットのものです。また、「精神分析」の方はちゃんと精神分析研究所でのトレーニングを完了した「分析家」(またはそのためのトレーニングを受けている人)でないと行うことができません。

オープンマインドのセラピストはニューヨークの精神分析的な臨床心理のプログラム(博士課程、学校名はThe New School for Social Research, Psychology Graduate Degrees | Masters and PhD (newschool.edu))に学び、現地の精神分析研究所などで実習生をし、個人分析も経験していますので、本だけで学んだような机上の学問ではなく経験や実習・実践を伴いますので安心していただけます。

アメリカなど、カウンセリング・心理療法が盛んな国ではある時期週1回ペースくらいで通うのは「ごくふつうのこと」と見なされています。だからと言って「病気」というわけでもありません。それが生活やキャリア、人間関係の質などをブーストしてくれることを知っているからです。もちろん、なんらかの「診断」がつくようなものを抱えていて来る人もいますし、ない人にとっては「転ばぬ先の杖」のようにもなっていると言えます。

日本だと、どうしても「仕事以外の時間」となり、夕方や週末でないと通えないという人も多いのですが、カルチャー的に就業時間中でも時間休などを取って通ってもらえるようになればいいのに、などと思っています。カウンセリングではセラピスト側には「守秘義務」がありますが、カウンセリングに通うことは別に恥ずべきことでもなんでもなく、実際には自分の人生をなんとかしていこうという賞賛されるべき努力なのです。

幸い、最近コロナの問題もありオンライン・セッションがやりやすくなりました。オープンマインドでは2015年の開業当時から提供しておりましたが、海外在住の方や国内でも対面に通うのが難しいという方にも受けていただきやすくなっています。原則、zoomを使っていますので、お気軽にお問い合わせください。