2022年01月07日

席を譲ってもらえなかった、目の見えない人

2022年が明けましたね。まだ松の内ではありますが、仕事始めを過ぎたという方も多いのではと思います。オープンマインドでは、昨日が仕事始めでした。(見事に雪に見舞われましたが!) 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、今日ちょっと気になった、印象に残ったことがあったので書こうと思います。今日午後、電車に乗ったときのことです。同じ駅で、白い杖を持った男性が乗ってきました。しかし一人ではなく、JRの女性職員さんに誘導してもらい車内に入ってきました。

車内は、座席にはすべて人が座っており、立っている人もかなりいるといった状況でした(この路線では、ごく普通のことです)。以下が私の聞いた会話です。職員「座りたいですか?」乗客「できれば」職員(車内を見渡して)「今、混んでいて・・・」(と、ドア横の角に乗客を誘導。このときは私含め3人ほどの立っていた人が多少動いて場所を空ける。)彼がしっかりつかまったことを確認すると、職員は電車を降り、ご案内終了のアナウンスがあり、ドアが閉まり発車しました。

よくあることですが、座っていたのはお年寄りなどではなくぱっと見大丈夫そうな比較的若い人たち。みなさん疲れていたとか、見た目分からない不調(たとえば腰痛とか捻挫とか)があったりしたのかもしれません。が、二人の会話を聞いたのか聞いていないのか、誰も動こうとはしませんでした。これはなんだか(東京にありがちなこととは言え)マイルドにショックでした。

明らかに身体に障害のある人が目の前にいて、しかも要望を口にしているのに動こうとしないのだろうか? 気恥ずかしい、というのもなくはないでしょうが、それを気にする場面でもないように思います。私は2つ先で降りたので、その乗客の方がどこまで行くのか、分かりませんでしたが、車両の隅でやや居心地悪そうにしていました。

もしかしたら昨日の雪の後だから、外出はやや怖いけれど、行かなければならない事情などあったのかもしれません。乗るとき介助されていたのだから、きっと降車駅にも職員が待っていたのでしょう。

今、世間ではダイバーシティとインクルージョンが言われていますが、どうも大半の人は「見て見ぬ振り」「面倒な(そうな)ことには関わりたくない」というのが多そうで、残念です。心理職としては、障がいのある方々にも積極的に関わっていく必要があるし、事実これまでにも多少の障がいがある人たちには関わってきているので、その意味であまり「人見知り」はしません。どんな人でも「人」ではあるからです。

世間すべての人に同じような感覚を求められないと思ってはいても、もう少し動くとか、配慮するとか、フレキシブルであるとかはあってほしいと思った、今日でした。