「それ専門」ではないものの、バイリンガルやバイカルチュラル(以上)の方がクライアントに多いオープンマインドです。最近の傾向としては、コロナ始まって少しして、特に去年・今年あたりは日本の方もですが、アジア人(主に中国人、韓国人)の方が微増しているなという印象があります(絶対数がそんなに多くないので、あくまで「印象」になりますが。)
100%ではないですが、典型的にはアメリカ(や、その他の英語圏)で学んでおり、しかしそこには定着せずに、戻ってくるのですが母国には戻らず、日本で働いているという方々です。(正確にはもっとバリエーションがありますが、単純化しています。)いわゆる「Jターン」的な動きと言えるでしょう。
母国への不満はあり、なおかつ家族との軋轢やすれ違いのようなものもあって、外国へ出るものの母国に戻るには到らない、ということでしょうか。(戻った方もいましたが。)東京には、グローバルな仕事がいっぱいあるので、そういう方々は思ったより多くいると思われます。そして、言うまでもなく東京は「アジアの大都市」であり、特に中韓の方々にとってはあまり目立たずに暮らせる場所かと思います。
これも印象ですが英語圏で見聞きしてある程度知っているために、カウンセリングや心理療法をやってみたいという憧れがあったり、あるいは抵抗がなかったりするようです。カウンセリング「文化」みたいなものがあり、日本では以前から必要性が叫ばれているものの、いざ自分のこととなると動かない人が多いと感じています。本質的には本を読んで分かるものではなく、また不特定多数のための「一般論」では済まず、一人一人のプロセスというものがあるため、やはり実際にできた方が「強い」のです。
「いったいどんな悩みがあるの?」と以前言われた、という方がおられましたが、違う文化で働き生活するストレス、またそこ発生する人間関係やコミュニケーションの問題は、おそらく経験した人でないと分かりません。オープンマインドがバイリンガル、バイカルチュラルの人に選ばれる理由かと思います。
日本の方ですといわゆる「帰国子女」という方も少なくないです。「違う」ことに耐性の低い日本ですから、同じ「日本人」であっても馴染んでないなと思うとうまく入れてくれないというのも多いでしょう。以前は、親や先生から見て言葉がしゃべれていたり、勉強がある程度できていたりすれば「問題はない」と見なされてしまっていたのではないかと思いますが、私がお話を聞いていた限り、やはり適応力のある子どもであっても異文化適応のプロセスはそこまで生やさしいものではないと感じます。少なくとも、周囲の大人が見守り、必要に応じ助け船を出すような体制が必要かと思われ、これは「過保護」ではなく「必要なケア」であると感じます。