あれよあれよと言う間に、10月になってしまい、今年も残すところ3ヶ月を切ってしまいました・・・今年は、猛暑がつづき10月に入っても残暑があるということで、みなさま心身ともにお疲れなのではと思います。夏の終わり~秋の始めの心身の調整・回復には十分時間をかけると良いかと思います。
さて、今回はオープンマインドで行っている、パニック発作(障害)や不安障害(PTSD、全般性不安障害、強迫性障害など)の心理療法についてのご案内です。
パニック障害(発作)というと認知行動療法(CBT)が有名であり、実際に効果もあるという研究結果も多くあります。いつ起こるか分からない発作をコントロールできるようになることは、パニックを患う人にとって大きな救いとなります。が、CBTはあくまで「症状」を扱うものであり、その背後のもっと広い意味でのストレスやコミュニケーション、人間関係などはCBTでは扱いきれないことも多いでしょう。
オープンマインドで行っているのは、CBTのような課題や宿題があるような形のものではなく、精神分析的・精神力動的なアプローチをベースにしたものです。これはつまり、自由に話していく中で、症状の元となっているストレスやコミュニケーション感情などのパターンなどを同定し、それを解消したり変えていったりするプロセスを進めていくということです。症状だけにフォーカスするよりはだいぶいろいろなことを話しながら進んでいくことになります。
パニック発作は、育つ中で学んできてしまったストレスのパターン(または、学んでしまった、あるいは学んでこなかったコーピング=対処の仕方、とも言えます)に由来していると言えますが、その背景として「トラウマ」と呼べるものがある場合も、ない場合もあるかと思います(愛着障害のような、「関係性のトラウマ」と呼ばれるものもあるので、究極全部に「ある」ということになるのかもしれませんが)。もちろん記憶にあるようなトラウマがある方でも、OKです。
症状に効果のあるCBTでも、その後症状が別の形で戻ってきてしまったりもありますが、精神分析的なアプローチは時間がかかりじっくりしているものの、終了後も効果がつづくことが知られています。CBTのような、「これをやらなければならない」というようなやり方は嫌いであるという方にも向いています。
一つだけ言えるのは月1回といった緩いペースでは、行いにくい(効果が出にくい)かなということです。できれば週1回~隔週くらいのペースで通っていただくことになります。不安が強い場合は、週2回もあるかと思います。
パニック障害・パニック発作、不安障害というと「治らない」と思い込んでしまっている場合もありますが、そんなことはありません。不安が強いとどうしても状況を回避するために行動が制限されてしまいます。不安を軽減・克服して、より自由な人生を取り戻すために、勇気を持って一歩踏み出していただくことで、変わっていくかと思います。