そもそも「トラウマ」とは何なのでしょうか? どのように働くのでしょうか? トラウマは通常統合されたシステムの「外」にあると考えられるため、トラウマの視点があるとないとでは、ものの見方・見え方がだいぶ違ってきます。傍目には不適応的に見える行動や感情であっても、実はトラウマの視点から見ると疑問ではなかった(元々は適応的である)といったこともあります。
「トラウマだった」と日常会話で軽く言うようなこととはレベルが違い、深刻なトラウマであれば言語化することも難しいことが知られています。トラウマにはいろいろな種類があり、CLと接するときそれがトラウマに由来しているかもしれないと同定できることにより、援助者も見立て、援助・介入の方法や方向性などの選択を行うことができるようになります。
このセミナーでは、トラウマの種類、トラウマに関わる現象、援助者が気をつけておくべきことなどについてお伝えしていきます。
【主な内容】・トラウマ(心的外傷)とはなにか ・自然によるトラウマと人為的なトラウマ ・集合的なトラウマと個人的なトラウマ ・焦点性のトラウマと関係性のトラウマ、トラウマと発達段階 ・トラウマと解離 ・トラウマとソーシャルサポート(分断) ・トラウマと記憶 ・二次的トラウマ ・代理的トラウマ(vicarious traumatization) ・トラウマセラピストの自己認識・ストレスケア など
トラウマの履歴については、あらかじめ知れている(本人が何らかの形で知っている・記憶している)こともあり、しかしすぐ言ってくれるとは限りません。また、治療の過程で浮上してくることもあります。これは、以前に信頼できるつながりがなかったために、経験がシェアされていなかったこと等によります(いわゆる抑圧または解離されている状態)。治療同盟が脅かされやすいこうした関係では、何度も何度も治療同盟を構築し直すことが必要になる場合もあります。当日は休憩、Q&A、水分補給などを適宜挟みながら進行していきます。
2024年5月18日(土) 15:30~18:00
場所: Zoom(お申し込みいただいた方にリンクを送付いたします。Zoomを使い慣れていない方は、その旨お知らせください。)
参加資格: 心理職・精神保健関係の方(心理士・心理師、ソーシャルワーカー、医師、看護師、等)、精神医学、心理学または近接領域の学生の方。
料金: 5000円(クレジットカードまたは銀行振込) リピーターの方500円引きあり
主催・講師: 鶴田みさ(「オープンマインド」主催) 心理学博士・公認心理師。一橋大学法学部卒。90年代半ばに渡米の機会があり、ニューヨーク大学で教育心理学修士(MA)、ザ・ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチの精神分析的なPhDプログラムに学び、その後認知・社会・発達心理学博士課程を修了(PhD)。現地では精神科病棟や精神分析クリニック、学校で心理療法やアセスメントの実習を積み、帰国後はEAPカウンセラーや学校カウンセラーを務める。2015年オープンマインド設立。現在は主に大人の神経症圏の心理療法、EAPの短期療法、企業研修などを行っている。
お申し込み・お問い合わせ: info@openmindpsy.comまで直接お願いいたします。(このHPからも申し込み可能です。)お申し込みの際は、①お名前 ②メールアドレス ③電話番号(Zoom接続等で問題が生じたとき用) ④職業(関連の資格、学生の方はその旨)をお知らせください。基本クレジットカード払いとなりますが、銀行振込ご希望の方や、お支払い後領収書ご希望の方はお知らせください。